定住者の声

“夜空の星座の移り変わりで四季を感じる”

髙橋 隼(たかはし じゅん)さん
 奈良県出身。福祉系の市民団体で4年間働いていたが、天文学への関心から再び学問の道に戻りたいと思い復学。現在は佐用町に移住して西はりま天文台の研究員として働いている

●佐用町に来たきっかけは?
 福祉系の市民団体で働いていましたが、天文学への関心から再び学問の道に戻りたいと思い神戸大学の大学院へ復学しました。天文学を勉強していた際に、西はりま天文台の研究員の募集があり、採用されたことがきっかけです。
 
●現在の仕事内容について教えてください。
 天文台にある「なゆた望遠鏡」を使って天文学の研究をしています。夜間に天体観測し、そのデータを解析して研究論文を書くのが一番大きな仕事です。より詳しく観測を行うために、望遠鏡に取り付ける観測装置(カメラ)の開発なども行っています。 研究以外にも公開天文台として一般の方々に宇宙のお話をしたり、星の観察会を開いたりしています。
 
●西はりま天文台の魅力は?
 望遠鏡はその鏡が大きければ大きいほど性能が高いため、日本で2番目に大きな望遠鏡を備えているところは魅力だと思います。西はりま天文台はお客さんに星を見ていただく一般公開と天文学の研究を両立させている世界的にもかなりユニークな施設です。
 

●佐用の自然の良いところは?
 夜空が暗く、美しい星空が観察できます。私自身は星空を見るのが大好きというほどではないのですが、佐用町の星空の美しさに感動することがあります。天井に星空が散らばっているというよりも、宇宙の中に地球が浮かんでいるように感じたこともあります。 また、真夜中にしし座が見れるようになると、「ああ、春が近くなったな」というように、季節の移り変わりを星座から感じることもできます。
 
●移住した後に感じた佐用の良さは?
 星空だけでなく、通勤途中にある桜並木や山の上から見る明け方の雲海などから、仕事や生活の中で自然の美しさをより感じられるようになりました。
 また、庭いじりや家庭菜園など、都会では楽しめない新しい趣味を見つけることができました。さらに、周りの人々からの温かいサポートや、子どもたちが良い友達に恵まれました。
 
●佐用に住んで苦労したことは?
 最初の頃は、地元のつながりの強さに少し戸惑いました。
 子どもが保育園に通い始めた際、周囲の保護者たちの多くは地元の人々で、昔からの知り合い同士のように思われ、移住してきた私たちにとっては輪に入りづらいなと感じたことはあります。集落での行事が都会と比べて多く、戸惑うこともありましたが、行事などに積極的に参加することで地域に馴染むことができました。
 
●購入した家のことを教えてください
佐用町の中心部に位置する2階建ての一軒家で、築30年なのに良好な物件でした。
移住してすぐに住んだアパートが子どもが増えて手狭になり、一軒家を探していた際、空き家バンクで隣の集落の家が売りに出ていることを知り、内覧に行きました。購入やリフォーム際しては、佐用町の若者住宅取得応援金制度や兵庫県の空き家活用支援事業を活用しました。
 
●移住希望者のみなさんへ
 移住前に集落や地域の情報、文化を理解することが大切だと思います。実際に住んでみないとわからないこともありますが、経験者のアドバイスや地域の雰囲気など、できるだけ情報を集め、慎重に決めることで「移住して良かった」と思えることにつながると思います。
 新規物件の情報を見落とされないようにこまめに定住・移住サイトをチェックすることをおすすめします。