定住者の声

“昔から佐用町は、新しい人を受け入る雰囲気があります”

岡田 健志さん(50歳・大阪出身)
妻・真希子さん(50歳・東京出身)
20年在住

 佐用町で花壇苗生産を営む岡田さんご夫妻。1棟あたり約2万苗を育てることができるビニールハウスを6 棟も管理され、ベゴニア、ハボタン、ビオラ、プリムラ、宿根ロベリア、なでしこなど30種類以上もの花苗を育て、九州から東京まで出荷している。ご夫婦が町に移り住んだのは、約20年前に東京で開催されていたIターンフェアがきっかけ。元々半導体メーカーに勤めていた健志さんの将来の夢は「就農」で、フェアで偶然見つけた条件の良い旧三日月町の宅地分譲の告知を知り、その面接を受けたことからトントン拍子に移住が決まっていった。

 移り住んだ当初は、多少地域の風習に慣れないこともあったとか。旧三日月町に住み始めて、1カ月もしない頃、集落であった小火。町内放送を聞いて駆けつけることをしなかったことを、後から周りの人に注意されたこともあった。同じ時期にあった葬式でも炊き出しをするなどの風習を最初は教えてもらいながら覚えていった。ただ、身近な近所の人たちが、温かく迎え入れてくれ、冷たい対応をするような人がいなかったことを今でも覚えている。「昔から佐用町は、新しい人を受け入れてくれる雰囲気があります。地区の農会長を37歳の若さで任されたのも他の地域では稀なことだったと思います」と当時を振り返る。

 現在、高校1年生の長女と中学2年生の長男を持ち、仕事や地域の活動にも積極的なご夫婦。佐用町での子育てにおいて、当時は学童保育がなかったのが不便であったが、そういった課題については、行政に要望を出しながら、共に子育て支援を考えてきたという。何か必要なことがあれば受け身ではなく、自分たちでも考えていくということも大切なこと。
 休日、健志さんは趣味の海釣りを楽しみ、真希子さんは畑で無農薬のナス、ピーマン、トマトなどを育て、ほうずきジャムやお漬物を作るなど自然と向き合いながら豊かな生活を過ごしている。「佐用町の豊かな自然と、温かく人を受け入れてくれる雰囲気は町の魅力ですよ」とご夫婦は優しく教えてくれた。