佐用の史跡文化財 新宿の宝篋印塔
新宿の宝篋印塔(新宿)

塔は三日月地域の新宿集落にあり、その山すそにひっそりとたたずんでいます。
その姿は、全体的に小さな塔ながら丁寧に造られた優品で、高さ約1メートル、下から蓮花座を造りだした基壇の上に格狭間と蓮花座を付けた基礎石が乗り、その基礎の一面には「嘉慶二(1388年)」、「九月十九」、別の面に「播磨国」、「中津河」と彫られています。そして、基礎の上には梵字を刻んだ塔身と階段状に段差のついた笠がのり、その笠の上には宝珠のついた相輪が乗っていたはずですが、今では途中から失われています。
ところで、この塔には他の同じような塔にはあまり見られない興味深い点があります。
それは基礎に「播磨国」、「中津河」と地名が彫られていることです。古く奈良時代に書かれた播磨の地誌「播磨国風土記」の讃容郡の条には「中川里」が、また平安時代の法典である延喜式には「中川駅」(平成23年7月号広報記事参照)が記されています。現在では使われていないこの地名ですが、この宝篋印塔に刻まれた文字より、新宿集落周辺が当時「なかつがわ(なかがわ)」と呼ばれていたのではないかと考えられています。
なお、この宝篋印塔は地域の歴史を物語る大切な文化財であるとして、昭和47年に県指定文化財に指定されています。
(参考文献「三日月町史」「兵庫県史」ほか)
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新宿の宝篋印塔
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