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佐用の史跡文化財 誇り:常徳寺境内の塔心礎

常徳寺境内の塔心礎(上町)


 佐用の大イチョウはその見事な容姿から地域のシンボルとしてよく知られていますが、このあたりは明治以降に郡役所や小学校が、江戸時代には出雲街道の佐用本陣が置かれるなど、古くから地域の中心的な施設があった場所ということもよく知られています。
 今回紹介するのは中世のころ、この大イチョウの近くにあったとされる今はもう無いお寺のことで、その名を「如意輪山万願寺(にょいりんさんまんがんじ)」といいます。
 くわしい資料は残っていませんが、「播磨鑑(はりまかがみ)」や「佐用郡誌」などには、この寺は赤松氏が建立した大朴玄素開山の禅寺で、嘉吉(かきつ)の乱(1441年)で焼失したとの伝承されていることや、江戸時代には大イチョウのそばに鎮守の小社があったことなどが記されています。
 いま万願寺の存在をうかがわせるものは、大イチョウの北側にある月照山常徳寺にあります。
 静かな境内の一角に手水鉢(ちょうずばち)として加工・使用されたと思われる大きな石が一つあり、大きさは長辺155センチ、短辺110センチで、高さは70センチあります。この石の上面はやや平らになっており、直径32センチ・深さ18センチの丸穴が掘られていることから、本来は塔の基礎としての役割を持つ礎石(心礎(しんそ))であったことが分かります。
 この心礎は寺が無くなった後にどんな経緯でここに納まったものかは分かりませんが、今のところ如意輪山万願寺の当時の姿を今に伝える唯一の考古資料となっています。
 なおこの礎石は、佐用町の中世寺院の貴重な資料として、平成13年に町指定考古資料となっています。

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常徳寺境内の塔心礎

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